ノーレート雀荘対抗戦レポート
2022年10月22日。
HQ麻雀杯第4回ノーレート雀荘対抗戦の東日本予選が東京で行われた。
3度目の対抗戦予選に挑戦したアエル。
今回の代表者は、和川凌・初瀬尾真人・只野智章・宮崎大地という4人。
これまでは、アエルリーグの優勝選手や店舗推薦、選抜大会などで代表者を一人一人選出し、チームを組んできた。しかし今回は、アエル主催のチーム戦『奏リーグ』の優勝チームにそのまま代表となってもらおうと考えた。
チーム戦は、技術や精神力などの個々の雀力も大事だが、何よりチームワークが大切。何か月もの間、奏リーグで苦楽を共にし培った絆は、必ず訪れるであろう難局で大きな力を発揮するはず。
第1回奏リーグには、全18チームが参戦。その中には、長年競技麻雀に人生を捧げてきた、いわゆる「ガチ勢」が何組もいた。
しかし、優勝したのはチーム『エンドルフィンズ』。
エンドルフィンズは、アエル教室に通う生徒たち4人で組んだチームの一つ。
まだ、競技麻雀歴は浅い。
彼らは、雀力や経験においてまだ未熟な部分があることを受け止めつつ、それでも全力で対戦者たちにぶつかり、時に真剣に反省し落ち込み、時に心から喜び合った。そうして4人で掴みとった勝利。
優勝したエンドルフィンズはチーム「アエル」と名前を変え、他の教室メンバーや奏リーグに出場した他チームからのたくさんの声援を受けて東京へ旅立った。
そんな4人が、奏リーグやノーレート雀荘対抗戦を通してどんな経験をし、どんな想いがあったのか。本人たちの言葉で綴ってもらった。
宮崎 大地
沢山の貴重な経験をさせて貰った奏リーグとノーレート雀荘対抗戦でした。
奏リーグを振り返ると、エンドルフィンズの仲間に助けてもらった大会だったと思います。チーム戦ならではの緊迫感やプレッシャーは初めての経験で、予選では思うような結果を出せませんでしたが、頼りになる年上の3人の方々が決勝まで引っ張ってくれました。
予選通過が厳しい状況だったチームを、最終戦で和川さんと初瀬尾さんが救ってくれました。かっこよかった。
決勝戦は、顔ぶれを見ると、明らかに経験値で劣っていたのは自分達だったと思います。それでも、決勝の舞台で打てる事がとても嬉しかったですし、沢山の方々が応援してくれていたので、その期待に応えたい一心でした。
私たちのチームは、ラスを恐れない思い切った麻雀が強みだと思います。決勝戦の最終戦では、エンドルフィンズらしい条件戦の下手さは露呈してしまいましたが、爆発力と貪欲にトップを取りに行く麻雀を皆で体現することができ、優勝することができました!
最終戦の地獄のような緊張感は、今でも鮮明に覚えてますし、それを乗り越え全員で掴んだ優勝は忘れられない思い出です。
そして迎えたノーレート雀荘対抗戦、正直試合前から遠足の前日並にワクワクしていました。試合の直前に東京の美容室に行き、カフェに行き、神社でお参りをして、これ以上ない学生らしい時間を過ごしてから試合会場に足を運びました。
気分は最高潮の状態で試合に臨みましたが、2回戦が終わり、チームアエルは−220ポイント。Twitterで速報を追われていた方々の気持ちはお察ししますが、それでも、私たちは全く諦めていませんでした。このチームは諦めの悪いタイプの人間が揃っていまして、チームとして1回波に乗れればまだチャンスはあるなと思っていました。
そして、目論見通り最後の2半荘で私たちは約300ポイントを上乗せし、次のステージへ臨みを繋げましたが、惜しくも3位で敗退。流石にスロースターター過ぎましたね。もちろん悔しかったです。勝ちたかった。それでも、全員で最後まで勝ちにこだわり、諦めない姿勢を見せられたと思います。そして何より、楽しめた事が一番かなと思います。
個人としても、学生のうちにノーレート雀荘対抗戦に出場する事ができたのは、貴重な経験でした。強くなってまた、この舞台でリベンジしたいです。チームの中では、だいぶ年下の自分ですが、チームメイトの皆さんには居心地の良い環境を作ってもらえて、楽しく麻雀を打つ事ができました。試合後に皆で飲んだお酒は最高でしたね!
アエルに通い始めた頃は、所作面はもちろん、点数計算も1から学ぶ状況で、このような大会に出場できるなんて想像もしていませんでした。毎週教室に通い続け、麻雀を教わってきて本当良かったです。先生方をはじめ、応援して下さった皆さんに感謝の気持ちで一杯です!本当にありがとうございました!
只野 智章
奏リーグ決勝
チームメイトがアエルリーグや奏リーグで結果を残している中、僕自身何も出来ていない事に焦りと、初めての決勝戦という大舞台に緊張を感じながらも、とにかく今日だけは勝ちたいという気持ちだけで4半荘を打っていました。そのせいか感情が出すぎて強打が多くなってしまったのは申し訳ないです。
1回戦の終盤では自分の卓が一番最後に終わり、周りから見られて緊張しながらラス回避をしたり、3回戦ではパッションだけで打った追っかけリーチが一発でツモれたり、4回戦ではうまく打ててない上に、最悪な並びのラスを引いてめちゃくちゃ落ち込んだり、いろいろありましたがなんとか優勝をつかむことができました。
ノーレート雀荘対抗戦当日
東京入りする前からチームメンバーでは「アエルの名前を背負って戦う以上、どれだけ成績が悪くても所作やマナーだけは1番になる」と決めていてそのせいか、奏リーグ決勝とは変わってあまり感情的にならず、落ち着いて打つことができてました。
1回戦3着-17.7
東1局から満貫をアガるも東4局に親に連荘されほぼイーブンくらいの2着で南入。
南1局メンピンドラ1の3門張で先制リーチ!
そしたら親の追っかけが入ってドラを掴み放銃。
痛恨のメンピンドラドラの12000放銃。
これが痛手となり3着に。
2回戦3着-15.4
とにかく手が入らなかった。
苦しみながらもラス回避に徹底することに。
終わってにみたら自分以外の3人がラスだったのはヒミツで…
3回戦トップ+58.9
ラス前にあまりにも僥倖すぎるリーチツモ赤裏3をアガリトップ目に。
ズルすぎるだろさすがに…
親番で迎えたオーラス、3着目が先制リーチ、2着目もピンズの一色手で2副露。
安パイがなくなりかけるも最終的に横移動で終了してなんとかトップで終了。
最終戦前ミーティング
ボーダーと113.7ポイント差で迎えた最終戦。
最終戦は奇数順位卓と偶数順位卓に分かれる事に。
チームの話し合いの結果
「連対」+「まーすたさんより上の着順をとる」
ということに。
4回戦2着+13.4
東場はまーすたさんとほぼ並びで3着争い。
南2局自分の親番でとにかく先制リーチを打ってオリてもらうことに。
2本場、リーチツモ七対子ドラドラの6000オールをアガリ2着に浮上。
トップも見えたが及ばずそのまま2着で終え残りはチームメイトに託すことに。
結果
着順3312
個人+29.2(個人順位14/32位)
チーム+63.3(チーム順位3/8位)
結果2位のチームがスコアを更に伸ばし、3位で敗退となってしまったが、4回戦はチーム全員がノルマをクリア出来たのはとても大きな収穫になったと思います。
自分自身、奏リーグ決勝の4回戦で最悪の形で終えてしまった以上、課題にしていた条件戦で失敗しないようにしっかり打てた事は今後に繋がる半荘になったのではないかと思っています。
残念ながら東日本予選で敗退となってしまいましたが、奏リーグとアエルリーグを通じ皆様から色々お話を伺えたり、何より「エンドルフィンズがアエル代表になって良かった」というお声が頂けた事がとても嬉しかったです。優勝を持ち帰る事はできませんでしたが、少しでもアエルへの恩返しになっていれば幸いです。
この結果に甘えず今後も雀力向上に努めてまいります!
応援ありがとうございました!
初瀬尾 真人
奏リーグの決勝は白熱した、東日本予選はとにかく楽しかった、悔しかったなどは他のメンバーが熱く語ってくれることと思いますので、私は違う話を…。
「自分なんかでいいのだろうか?」
これは私が何かを初めて挑戦するときに必ず出てくる思考です。初めて水曜教室に行った時、フリー、アエルリーグ、プロアマと、どれも初めて参加した時にはこの考えが付きまといました。
アエルの代表になったときも、当然この考えがよぎりましたが、最後まで一度も口にすることはありませんでした。
さて、私が奏リーグと東日本予選を通じて感じたことを2つ書きます。
1つ目は応援の力はすごいということです。
エンドルフィンズは水曜教室のチームです。奏リーグ最終節や決勝戦の前には教室メンバーからたくさんの応援・激励を貰いました。
本番中もLINEやTwitterで応援してくれた方がたくさんいました。対局の合間にスマホで見るメッセージは本当に励みになりました。
おそらく決勝戦に残ったチームでは我々が1番経験のないチームだったことでしょう。そんな我々が勝ち進めたのは、沢山の応援が影響しているのは間違いありません。
また、この応援の力は東日本予選でさらに大きくなりました。アエルのみんなが応援してくれたからです。
するといつの間にか「自分なんかでいいのだろうか」の思考はいなくなっていた気がします。
私が東日本予選で自分の麻雀を打つことができ、心から楽しんでこれたのは皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。
2つ目は「なんとかなる」ということです。
東日本予選の会場には自分よりも上手い選手がたくさんいたことでしょう。プロ並の選手も何人もいたことと思います。そんな中で私は自分の麻雀を打ち切るとこができました。なんとかなるのです。
しかし、これは自分だからというわけではないと思います。アエルリーグで対戦した方や教室で一緒に学んでいる方、誰がその場にいても違和感がないように感じました。
何が言いたいかというと、つまりアエルってすごいところなんです!笑
もし、自信がなくて奏リーグの参加を見送った方、東日本予選なんて恐れ多いと見送った方がいるのであれば、私は言いたい「なんとかなる」のです。
奏リーグは第二回があると聞いています。次回は奏子先生が困っちゃうくらいの応募があったら面白いなと思ってます。
(教室からももっと多くのチームが出れたらいいな。あわよくば来年も教室チームが代表になれたらいいな。)
和川 凌
奏リーグと東日本予選の振り返りレポートということで、出場した感想や出来事をまとめていきたいと思います。
<奏リーグ予選(1-6節)>
予選は各チームから毎節2名が出場。
記念すべき第1節の1回戦でダブルトップを取って、奏リーグ最初の首位になったところがハイライト……になると正直この時は思っていましたが、その後もプラマイゼロ付近を維持して最終節。
僕と初瀬尾さんで出場し、最終半荘までに僕が1,1,3着、初瀬尾さんが1,3,1着でボーダーに迫る位置まで来て、最終戦の二人の平着が2.0くらいなら行けるかも?みたいな話をしていたのに僕がラスを引いてやっちまった感が否めない中、初瀬尾さんがトップを取ってくれたおかげで5位のチームと2.6pt差の4位で決勝進出することができました!あぶねえ!
<奏リーグ決勝>
Mリーグのポストシーズンのようにポイントを半分にし、チーム全員が出場しての4回戦。
全体4位で一番下の位置で通過したので、途中までは変なプレッシャーがかからずに戦うことができたと思います。
1回戦で2トップ、2回戦で3トップと一気にポイントを稼いで、前半終わったところで首位!実に25回戦ぶりのトータル首位に立ちました。その後は不慣れな首位で足元がグラついて怒涛の逆連対祭りとなるも、3,4回戦でなんとか1トップずつ取り、ギリギリ逃げ切って優勝!
強豪ひしめく中、教室メンバーで優勝できたことは一つ誇れることではないかと思います。リーダーとしての責任を果たしたぞ!(決勝で26.5ptしか稼いでないのは内緒で)
<東日本予選>
会場には各チームの代表選手はもちろんのこと、大会実行委員の村井貴政プロ(RMU)に司会の早川林香プロ(連盟)、さらにはまーすたチームの監督として金太賢プロ(協会)もいらっしゃって急遽あいさつに駆り出されたりと、対局前から盛り上がりを見せておりました。
チームアエルのリーダーとして、「対局マナー1位」「準決勝進出」の2つの目標を共有し、対局に臨みました。
1回戦はほぼ全局アガるか振るかの殴り合いになるも、2回も来た四暗刻テンパイがいずれも放銃で終わって3着。他のメンバーも2,2,3着と見た目は悪くないが、なんとも取り逃した感。
2回戦は東1,2でスピーディーな親満を立て続けに食らい、その後もチャンスを作れずボロボロの4着。他のメンバーも3,4,4着でチーム合計8戦ノートップで折り返し。
「このまま最下位だと札幌に帰れない……聖一さんに石狩湾に沈められる……」と震えていましたが、たくさんの応援を受けてここまで来て、爪痕残さずに帰るわけにいかないぞと気合を入れて、3回戦で3人トップ!(誰がトップ取れなかったかは調べるんじゃない!)
そして5位で迎えた4回戦では、奇数位の卓で4人全連対。トータル3位のチームをマクり、2位のラブリースマイルさんがマイナスしていたら準決勝進出!というところまで迫りましたが、しっかりポイントをプラスされていて万事休す。
ここまで逆転に次ぐ逆転で勝ち上がってきましたが、いくらなんでも前半に負けすぎましたね。またいつか挑戦したいです。
<戦いを終えて>
皆さんの応援のおかげでなんとか札幌に帰ってくることができました。危なっかしい戦いでハラハラさせたかと思いますが、最後まで見届けていただいた皆さんにこういった報告の場があってよかったです。本当にありがとうございました。
あと教室メンバーを中心にいただいた寄せ書きも嬉しかったです。東京にも持って行って、1回戦が始まる前に見返していました。
目標としていた準決勝進出は果たせませんでしたが、最後まで対局マナーを意識して取り組めたところがアエルのいいアピールになっていれば幸いです。
<奏リーグのすすめ>
自分が出ていない時もアエルのTwitter速報で一喜一憂できるので、出場していない節も楽しめます。東日本予選の行方を追っかけてくれた方には楽しむ素養があると思います。
友達とチームを組んで挑戦しても良し、同じ場所で打つ仲間同士で集まってもよし、アエルでマッチングしてもらって新たな仲間に出会うのも良し。
個人戦のアエルリーグに参加するよりチームメイトと参加できる分ハードルは低いと思うので、マイナスしても誰かが取り返してくれると信じて挑戦してみましょう!
麻雀界では「ガチ勢」「エンジョイ勢」と打ち手たちを2つに分類する言葉が使われることがある。この言葉を私自身も過去に使ったことはあるのだが…ずっと心のどこかで違和感があった。本当に2つに分類できるものだろうか、いや、分類していいものだろうか。
今回ノーレート雀荘対抗戦に挑んだ4人の文章を読み、私は素直に感動した。
奏リーグの予選から決勝までどんな想いで戦っていたのか。
どんな想いを胸に秘めて、東日本予選に挑んでいったのか。
このレポートをお願いしなければわからなかったことがたくさんあった。
胸を打たれたのには、教室の生徒さんたちということもあり思い入れが強かったこともあるかもしれない。しかし、きっとこれを読んだ誰もが、彼らの純粋な言葉に何かしら心に響くものがあるのではないだろうか。
これほどまでに真剣に麻雀と向き合い、そして悔しさも含めて心から楽しんでいる。私には、そんな彼らが最高にガチ勢であり最高にエンジョイ勢と思えてならない。
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